エレキットTU-870
6BM8シングルアンプ

今回はエレキットのTU-870を制作しました。
このアンプは「真空管アンプキット入門!」の主役でしょう!コンパクトな作りと制作のしやすさ、完成した暁には完全に実用になるその音!どれを取っても素晴らしいの一言です!今回はN響の友人、クラリネットの松本君の依頼で造りましたが、このアンプ、今までいったい何台造ったでしょうか…。造った先では皆さんに喜ばれています。それに、このアンプは私も一台持っていますが、常に手元にはありません。それは、色々な人に貸し出し用アンプとして大活躍しているからです。現在、N響でもっとも真空管アンプの大家であらされる根津さんを、真空管アンプに目覚めさせたのも実はこのアンプでした。
今回、特に嬉しかったのは、付属の真空管がロシア製の「ソブテック」になっていた事です。実は最初にこのアンプを造ったときには「ソブテック」だったのですが、2台目以降は全て「Ei」でした。実はこの「Ei]の音は多少寝ぼけた感じがしてあまり好きではなかったので、人に頼まれて造る時には秋葉原で他の真空管…当時は「ムラード」が2本で5000円で手に入ったのでそれに交換して皆さんに渡していました。でも、この「ソブテック」ならばその必要も無いでしょう。勿論好みとしてはムラードの方が好きですけどね…。

今、完成したアンプで聴いていますが、完璧です!もっと大きな真空管で高価な物も数多くありますが、BGM的にこの音を聴いていると、何処までそのようなアンプが必要か…???…という感じです。

これが今回制作するエレキットのTU-870です。レトロな箱…
「プンアーワパオレテス管空真」
って書いてあります!古い!!って強調するつもりなのかもしれませんが、完成したときの音は全然古くさくありません!
部品は比較的少なめ…でも今回は写真を撮ったりしながら造りましたので、完成まで3時間半かかりました。通常ならば、製作時間3時間ってところです。
基盤もシンプルに2枚だけ。一枚に見えますが、まだ、外していない状態です。
ロールオーバーは部品を付ける側の面です。でも、注意しなければならないのは、部品によってはパターン側(緑の面)に取り付けなければならない物も有るという事です。このアンプでは、真空管のソケットはパターン側に取り付ける事になっています。
二枚に切り離しました。基盤の一部が付いている状態ですが、カッターで傷を付け机の縁等で折り曲げて切り離します。折ったところはバリが出ていますので、気になる方は削りましょう!
配線用のピンを白い印刷のある面より刺し、パターン側でハンダ付けします。エレキットのキットは全てこの様に熱を加えすぎても壊れる事のない様な部品から造るような手順になっています。
この段階で、ハンダの当てる時間(部品を暖める時間)、ハンダを流す感覚(パターンと部品を馴染ませる)、そしてハンダをパターンからコテを離すタイミングに慣れるつもりでやりましょう!
これが取り付け面を間違えないように注意をする真空管ソケットです。この部品は足がたくさんあるので万が一間違えると外すのが大変です。それこそ、ハンダ吸い取り機などがないと外すのは不可能でしょう…!
お次は抵抗型ジャンパー線の取り付けです。このジャンパー線、なぜ故に抵抗の形をしていなければならないのでしょうか?このキットで唯一の疑問です。
整流用のブリッジダイオードです。この中には4本のダイオードが入っていて交流を直流にする役目を持っています。
聞いた話ですが、「ダイオード」という単語は元々真空管の2極管の事だったそうです。2極管も整流に利用されていた物だからなのでしょうね…。
この部品は取り付けの向きを間違えると、電源を入れたとたんアンプがお釈迦になりますので、特に注意!注意!
抵抗を付けました。私は部品を刺すだけさしてまとめてハンダ付けをしますが、部品の片方のリード線をまずハンダ付けします。この状態で部品を取り付けた面を見ると、たまに部品が浮きすぎている物や、浮かせなければならない抵抗(2W以上の大きめな抵抗)が基盤にくっついてしまったりする事があります。それを軽く押したり引いたりしながら、ハンダを溶かし直して調整します。ちょっと押さえている指が熱いんですけど…我慢!
あと、真ん中のGSと書いてある所にはハンダメッキ(ハンダを薄く流す)をします。忘れずに!
抵抗を全て取り付け終わりました。大きな抵抗は基盤から浮いているのが判りますか?この部品は比較的大きな電流が流れるため、熱を出します。
お次はフイルムコンデンサーの取り付け。
よく音質向上の為に「カップリングコンデンサを良い物に交換する」と言う話を聞きますが、私は元々セットされた部品を取り敢えずは使う事にしています。やはり、キットメーカーも音決めはしているわけですから、まずはその音を聴いた上で色々と変更すべきだと思います。
次はは電解コンデンサの取り付けです。この部品も取り付け向きに注意です。部品の足が長い方が+です。この時にも片足配線をしてから部品の高さの調整しました。
ボリュームを取り付けます。このアンプの中でハンダ付けのもっともデリケートな場所です。
この場合も一カ所だけをハンダ付けし、部品を指で押さえながらハンダを溶かし直して部品を基盤に密着させます。この部品はちゃんと付いていないと最後にシャーシに組むときに苦労します。密着させたら、残りの5カ所をハンダ付けします。パターンが凄く近いのでハンダを多く載せすぎると隣とショートしてしまうので注意しながら取り付けます。
これでメイン基盤は完成!
もう一枚の基盤の製作です。こちらの基盤はピンをパターン側(緑の面)から取り付けます。そのまま台の上に載せるとピンが浮いてしまうので、台の縁を利用してハンダ付けをします。
入力のRCAピンジャックを取り付けます。こんな小さなアンプでも入力を2系統持っているのです。実用になる一つの要素ですね!
さて、基盤類は完成しましたので、いよいよシャーシの製作です。まず電源ケーブルを取り付けますが、これがなかなか力仕事!
ケーブルを挟んだ部品をシャーシにつっこむのですが…要領としては少しペンチで挟んで端をシャーシに引っかけて、ペンチの持ち手側の隙間にケーブルを緩く挟む感じで押し込みます。こうすれば、ペンチの持ち手と先端に力を両手で入れられるので、比較的楽に入れる事が出来ます。
くれぐれも手を挟まないように!
スピーカーターミナルとヒューズkケースを取り付けました。ヒューズケースには一カ所、部品固定用の突起が有りますが、残念ながらシャーシ側にはそれを受ける凹みが無いので突起はカッターで削って取り付けました。
入力セレクタスイッチと電源スイッチです。正面から見て左が電源、右がセレクタスイッチです。この写真では手前が電源スイッチです。
先ほど完成させた基盤を取り付けるためのスペーサーを付けました。この時にアース用のシールを剥がす事を忘れないように!ボリュームを取り付けるところと、スペーサーの一カ所…計2カ所です。昔のものよりも最近は接着力が強い様で剥がしてもベタベタが残ってしまいます。私は気になるのでドライバーでこそいでベタベタを取る事にしています。
出力トランスと電源トランスを取り付けます。写真では電源トランスにカバーを付けてしまいました…写真を撮るのを忘れた…!
基盤を取り付けます。ボリュームを取り付けるナットは2個使います。一つはシャーシの内側になります。内側になるナットを調整して、基盤を取り付けるスペーサーの穴と基盤の穴が一致するようにします。
入力用の基盤は取り付けるネジが小さいのでちょっと苦労します。全てをねじ込まないようにして、ネジの先がはまったら、そのままにして3本とも付けます。その後にキッチリ締めていくと上手く行きます。先に1本でも締めてしまうと、他の穴が合わないので、苦労しますよ!
ケーブルの処理をしました。シールド線の被覆を剥くのが結構手間です。付属のシールド線の心線はかなり細いので丁寧に剥かなければ切れてしまいます。私はケーブルを折り曲げておいてその曲げた頂点をカッターで丁寧に傷を付けて行きそこをニッパーで軽く挟んで引っ張るという手順でやっています。
太い電源ケーブルは丈夫ですのでペンチで挟んでおいてその上をニッパーで挟んでテコの要領で被覆を剥くと比較的楽ですよ。
配線が終わりました!スピーカーターミナルのアース側に抵抗型?ジャンパー線を取り付けます。電源関係のケーブルはねじってあります。この方がノイズが多少軽減されるという話です。この写真は逆さまなので判りにくいかもしれませんが、AC電源はなるべくシャーシの上の方、音声関係は下の方になるようにしてみました。…気は心です…。
ボリューム、フロントパネル、足を取り付けた裏蓋、真空管を取り付けました。
プロテクターを着けて完成〜!
電源を入れる瞬間はどんなアンプでも緊張の一瞬です!変な音がしないか、臭いは?煙は出ていないか?
そして音が出た瞬間は嬉しいもんです!!

自作オーディオに戻る

アンサンブルクラルテTOPに戻る (このHPのTOPです)