2A3シングルアンプ制作記

今回、エレキットさんのTU-872(2A3シングルアンプ)を制作しました。
2A3と言えば昔の電蓄には必ず入っていたと言われるほど有名な直熱3極管。今回はこのキットを制作しました。以前からこの真空管の音には興味があったのですが、なかなか手が出なかったのですが、今回、いつもお世話になっているサンバレーさんからキットを送って頂きました。年末の忙しさも過ぎたあたりに時間を見つけポチポチと造りましたが、そうですね〜制作時間、計8時間と言う所でしょうか…。勿論かなりノンビリと造りましたよ!
造っていると、かなり制作のしやすさを感じました。途中一カ所だけ難しく感じた所もありましたが、良くできたキットです。
その音は!直熱3極管の音と言っても良いかな…上手く表現できませんが、例えばKT88のシングルアンプから比べると音象がクリアな様な気がします。300Bよりは図太さが無い…いや悪い意味ではなくとてもクリアな感じなんです。個人的には好みの音ですね!


箱から、全ての部品を出してみました。かなり部品点数も多く作りでがありそうです。興味のない方から見ると、どう感じるかは解りませんが、私は真空管を見ると美しい工芸品のように見えます。今回のキットはその工芸品の中でも特に古いタイプの真空管、ST管の2A3です。初段管は6SN7GTという双3極管を使っています。2A3は直熱管というタイプの真空管で、ヒーターでカソードを暖めるのではなくヒーター(フィラメントと言われます。)が直接カソードの役目をするタイプの真空管です。

キットの中には基盤が一枚。この基盤は5枚の基盤に切り離して使います。表と裏にそれぞれパターンのある複雑な基盤です。

それぞれの基盤に切り離しました。切り離す所にカッターで傷を付け机の端のようなところで上手に折ります。

A基盤制作です。エレキットの優れているのは、まず最初に当たり障りのない部品でハンダの扱いを慣れさせてくれることです。さらには「ハンダ付け虎の巻」と言う小冊子もつきてきます。初心者には嬉しい心遣いですね!
上の写真は、その当たり障りのない、ピンを刺している所です。差す時に下に段ボールをひくと楽です。さらには、ピンをペンチで掴んで刺すと言うよりも、ピンの広い所…っていっても解らないかな?一部袴のようになっている所をペンチで押して刺してやる感じの方が上手くいくようですよ。掴んで刺そうとすると、ピンが逃げてしまい結構刺しにくいんです。
ここにハンダを盛ってその技術に慣れてもらうと言うことなんですね!すばらしい!

全てのピンにハンダを盛りました。私のハンダは小さめなので、2本一緒のピンはかなり暖めてあげないとハンダが流れませんでした…と言うよりもいつも使っていたハンダではなく、今回は音響用の銀ハンダを使ったので、もしかしたらそのハンダの融点が高かったのかもしれませんが…。
そうそう!ハンダを両面に盛る所と片面だけのところが有りますのでご注意を!

抵抗、コンデンサを取り付けました。電解コンデンサの極性に注意!これを間違うと…爆発するかも!!

A基盤2カ所にハンダでメッキをする場所があります。解ります?SGと書いてある所ですよ!

スペーサーと真空管ソケットを取り付けた所です。私、この時にスペーサーの向きを間違えて付けてしまいました…良く解説を読みましょう!ソケットの取り付け方向も間違えやすいので注意!2A3のソケットの端子は少し、下方向に曲げておかないと基盤に直接、接触しないようです。
以前、どこかで聞いたのですが、ハンダ付けはそれぞれの部品を電気的につなげる補助のような物で、端子同士やケーブル同士がしっかり付いた上にハンダを入れた方がよいとのことでした。つまり、端子と端子の間のハンダの量が多いと良い結果にはならないと言っていました。端子が離れた状態でもハンダを大量に盛れば電気的には通じますが、接触している上にハンダが盛られた方が良いと言うことになるでしょうね。

A基盤にセレクタスイッチを取り付けました。

そのスイッチに別の基盤を取り付け、抵抗の形をしたジャンパー線でA基盤と接続。スイッチのボディーをアースする目的のようです。

B基盤製作。これは大したこと有りませんよ。LEDの接続の向きさえ間違えなければ。

D基盤の製作。A基盤と同じようにピンを刺し、ハンダを盛ります。2本の所はたっぷりめに盛る方が良いみたいですね。

D基盤の裏側には大きなブリッジダイオードが3個とFETが一個つきます。これはシャーシにセットした時にシャーシに密着するようになっていますので。くれぐれも書いてあるように一度ネジ止めをしてハンダ付け、その後にネジを外したりナットを外したりと手間がかかりますが、その通りにやりましょう!
右は表側に抵抗、コンデンサ、リレースイッチ、ヒューズ、小さなブリッジダイオードを取り付けた所です。
ダイオードと電解コンデンサの取り付け方向に注意!

入力端子の基盤の製作です。セレクタスイッチへのケーブルが煩雑になるのを簡単にするためにコネクターでまとめて繋がるように配慮されていました。これはラクチンです。ただ、ハンダをする間隔が狭いので隣の端子と短絡しないように注意が必要です。

シャーシのそこの部分にテープが貼ってあり、それを剥がすことでシャーシへのアースを確保できる構造になっています。さっき、A基盤にハンダメッキした所がありましたが、そこにスペーサーを立てるとそれが丁度この位置に来るわけです。よく考えてありますね。さすがエレキットさん!

スピーカー端子を取り付けました。勿論下の段から付けないとどうにもなりませんよ。

先ほどの入力端子の着いた基盤を取り付けます。ここで、タッピングネジを使うのですが、キットというのは部品は通常余裕が有りません。このタッピングネジも実はネジ類を入れていた箱を一度ひっくり返してしまい、1本が行方不明になり往生しました。結局段ボールのそこに落ちていたのですが…。皆さん制作中は部品をなくさないように、何かしっかりした入れ物に入れましょう〜!

シャーシをひっくり返し、インシュレーターを付けました。私は4点支持にしましたが、3点支持も出来るようです。また、足を裏返すと面ではなく点で支持することも出来るようです。

出力トランスはかなりしっかりとした物です。このトランスを見て「あ…いい音しそう…」って思いました。重たいので取り付けには注意!足の上に落としたらただでは済みませぬぞ!

基盤に繋ぐケーブルを全てハンダメッキ。これもちゃんとした方が基盤に付けた時にケーブルが素直に端子側と馴染んでくれます。
左手前のスペーサーは付け位置を間違えていますので悪しからず!…解説を良く読めっていったじゃないか〜!

D基盤に先ほどのケーブル類を接続。色が何種類もあるので間違えないように。ここで間違えるとその先に繋ぐ所も違うわけだから…アンプから煙が出たらイヤでしょ!

さらには電源トランスからのケーブルも接続。こちらのケーブルもハンダメッキはしていませんので、しましょうね。そうそう、出力トランスはハンダメッキがすでにしてありましたよ。

D基盤をシャーシに取り付け。この時が一番難しかったですよ。というのはこの基盤の上に電源トランスが来るので、電源トランスがすでに基盤に付いた状態でシャーシに付けるからトランスが邪魔で…。私は、だましだまし、出力トランスの上に置いてしのぎましたが…。

A基盤を取り付け。この時にさっきのスペーサーが違っていたことを発見!入力端子のコネクタケーブルを付けて、D基盤からのケーブルをトランスの間から出しておきます。

それぞれのケーブルをA基盤に接続。ここでも、ケーブルの色を間違えないようにね!ここでもケーブルがなるべく浮かないよう、直接基盤に付くようにハンダ付けしました。

ボリューム周りのB基盤にベースの金具と光の拡散板を取り付けました。

完成した拡散板の付いたB基盤をA基盤に取り付けました。左側は電源スイッチを装着。このスイッチのケーブルはノイズをキャンセルするためにねじって有ります。書いてある長さに切ってこよる様にねじったのですが、ねじりすぎた性か長さがギリギリになってしまいました。私はそのケーブルを2本用意してこよったのではなく、倍の長さに切って半分に折りこよりました。その方が片方が止まった状態なのでこよりやすいですよ。

さっき間違えたスペーサーはこの電源スイッチの為の物でした。こういう位置関係になりますよ!皆さんも説明書を良く読みましょう〜!…読んでないのは僕だけか…。

真空管を取り付けて試運転!う〜んなかなか良い音をしているよ!でも、回路むき出しの状態…中は高電圧…うっかり触ったら死んじゃうかも〜!皆さん気を付けましょう!調整する箇所もなく確実に配線できていれば間違いなく上手くいくと思います。

ボンネット類を付け、ボリュームのつまみを付け、棚に収めて運転中。思ったよりも発熱は少なめのようです。古典的な直熱3極管の2A3はご機嫌に良い音しています。出力は3.5Wと小さめですが、必要十分!とうい感じです。

エレキットさんの愛情でしょうか!?「ハンダ付けトラの巻き」です。
最近では初めてハンダごてを持つ人も少なくないでしょう。私のように元、電気少年、電気屋になりたかった子供時代を過ごした者は小遣いを握りしめて秋葉原に行き部品を買って来ちゃ色々なガラクタを造ったものです。ハンダの煙が目にしみたのを懐かしく思い、そのころ出来なかったことを現在やって私は楽しんでいます。
しかし、やはりネックになるのがこのハンダ付け…。そこでこの「ハンダ付けトラの巻き」はマニアックな趣味であった真空管アンプを広く多くの人に楽しんでもらうために考え抜かれ編集された物だと思います。勿論、エレキットさんのアンプは素晴らしいですが、私はこの小冊子がこのメーカーの本当に大事にしている所と感じました。

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